先日東京ミッドタウンで行われていたクレ・ド・ポーボーテという化粧品ブランドが主催する「肌の知性-細胞がもつ神秘の力」というAI(人工知能)アートを観に行ってきました。
クレ・ド・ポーボーテが40年以上かけて肌細胞研究で解き明かした「肌には知性がある」という事実をAIによって可視化し、アートとして表現したものです。
作家はトルコ イスタンブール出身のメディアアーティストのレフィーク・アナドール氏。現在ロサンゼルスを活動拠点に絵画、彫刻をはじめ様々な作品を生み出し、人工知能を駆使した空間デザインで注目を集めています。
向かい合った2つのデジタルキャンパスは、一方(positive)には「輝き」が表現されています。クレ・ド・ポーボーテ研究所のサイエンスデータと肌の遺伝子ネットワークモデルをもとにAIが悪い刺激を驚くほど美しい輝きとして変換したものを映し出しています。
もう一方(negative)では肌が受ける悪い刺激が表現されています。それは世界の主要都市から収集したリアルタイムの紫外線量や環境汚染レベルに関する何百万ものデータをもとにしています。
※冒頭の画像はpositiveです。実際は動画で音楽は森山未來氏が担当されています。
観た感想として、AIの技術がアートとして成り立ち世間で評価されていることがとても新鮮でした。
レフィーク氏の作品はニューヨーク近代美術館(MoMA)をはじめ世界50か国以上で展示されています。絵画で言うならばデータを絵の具として扱い、思考を筆替わりに作品を創作しています。まさにインパクトと可能性を問いかけられました。自ら考えたものを形として表現し、それを世の中に送り出す。言葉でまとめてしまえば短い文となりますが、自分のアイデアを有形なものとするだけでも初めは試行錯誤を繰り返したのではないかと想像します。そして、誰もがやっていない先駆けとなることをやるアイデア、ご本人にとっては自分の思いを表現しただけかもしれませんが、非常に行動する勇気をもらいました。私たちも自分の中にあるものを形にして表現していけるのではないでしょうか。表現していってもよいのではないでしょうか。
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